time~元暴走族豊×キャバ嬢カナ~
お前が店に現れて、俺がどんなに嬉しかったか。
お前が俺を家に招きいれてくれて、どんなに嬉しかったか。
それが親父と揉めた今日だってことが、嬉しくて嬉しくて…――
それなのに……今、目の前にいるお前は何を喋っている?
金のために体を売り、金のために男に囲われる。
そんなことをするために俺の元から去ったというのか?
3年間の出来事を物凄い勢いで喋り続けたお前は“これで満足?”と言わんばかりに俺の顔を見つめている。
俺は……
口を開いてしまえば本音をぶちまけてしまいそうで、何も答えることはできないまま、ただ静かに時計の針の音に聞き入っていた。