time~元暴走族豊×キャバ嬢カナ~
ドンっ


カナは缶ビールを俺に投げつけ、勢いよく立ち上がった。


「生きてゆくためには金が必要だろうが!世の中なんだって金だろ?金さえありゃ、生きていけんだよ!!」


怒鳴り散らすカナに俺は冷静さを失ってしまう。


「ふざけたこと言ってんな!!金を手に入れて、お前は本当に満足かよ?親父に金で触られて、囲われて、それで生きてるって言えるのか?死んだような目しやがって!てめぇは3年間、死にながら生きてんだよ!!そんなこともわかんねぇのか?」


カナを見上げながら、傷つけてるってわかっていてもブレーキなどきかない。



「金がなきゃ何も守れねぇだろ?人は金で人格も人生も変わっちまうんだよ。綺麗ごとばかり並べて、いつまでもガキみたいな豊にはわからねぇよ。だから、あんたの前から消えたんだ。」



そうなのか?


……俺の前から消えた理由は、俺がガキだから?
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