time~元暴走族豊×キャバ嬢カナ~
「豊。部屋に行っててもらえる?浅葱さんと2人で話がしたいの。」



1オクターブ高い声なんか出して、物越し柔らかく話すお前は、俺の知っているお前ではない。


こんなに近くに座っているのに、お前の存在を物凄く遠くに感じてしまう。



「わかった。」



俺にはそう言うしかねぇだろうが。


俺の知らないお前にそんなこと言われたら、俺はこの場に出てきたことを後悔するしかない。



「申し訳ないね。」なんて言う男を殴り飛ばしてやりたい気持ちをグッと堪え、俺はお前を抱いた温もりの残る部屋へと再び戻ってきた。
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