time~元暴走族豊×キャバ嬢カナ~
あたしに落としたお金は考えたくもないほど膨大で、ここを用意するための費用だってあたしには想像もできない額だと思う。
それを簡単に許せる人間なんているはずがない。
「まだ、僕の言葉を信じてないでしょう?」
「はい。」
浅葱はあたしの隣に移動し、ゆっくりと口を開いた。
「今のゆめかちゃんはいい顔をしている。目に力があるかな?僕はそのことが嬉しいんだ。だから、彼と付き合うといいよ。僕達は元々そういう関係じゃないんだし。」
「でも……浅葱さん…――。」
「ここは好きに使ってくれて構わないから。実はゆめかちゃんにプレゼントしようと思ってゆめかちゃんの名義なんだ。」
「はっ?あたし?」
苗字だって知らない浅葱がどうやってあたし名義にできるっていうんだよ。
あたしの表情で言いたいことがわかったのか、浅葱は言葉を続ける。