time~元暴走族豊×キャバ嬢カナ~
「……カナ?」
浅葱と初めて出会った日から今までのことを思い浮かべながら、呆然としていると冷たい中に少しだけ優しさが含まれている声が耳に届く。
あたしは目線だけを豊に向けた。
「どうなった?」
「出て行った。」
「あっ?」
寄り添って優しくしてほしいな~なんて少しでも思ったあたしが間違いだった。
あたしはこちらを睨みつける豊に向かって浅葱とのやり取りを説明した。
「何考えてんだ?」
話を聞き終えた豊の言葉。
きっと、殆どの人があたし達と同じ疑問を持つと思う。
浅葱は一体何を考えているのか?
「あたしにもわからない。」
「そうか。」
少しだけ強張っていた豊の表情が緩むと、豊はあたしの隣に腰をかけた。