time~元暴走族豊×キャバ嬢カナ~

ビールを冷蔵庫から出したあたしは今日二度目の乾杯をした。


「豊はどうするんだよ?」


「あー。どうすっかな?一緒に暮らすか?」


「嫌だよ!!」



あたしの素直な言葉にご立腹の豊。


でも、これは譲れない。


家出したついでに同棲するなんて、あたしはしたくない。


そんなだらしないスタートを切りたくはないから。



「取り合えずあたしの所にいるのはいいけど……家に帰って解決しろよ。今の豊は逃げてるだけだろ?本当にどうするのか、おじさんと話してからあたし達の事は決めよう。」



「そうだな。」



豊はなんだかんだ言ったって愛されてる。


だから、結局はあの温かい家に戻るんだ。


いくら喧嘩したって、離れていたって、きっとあの温かさが恋しくなるんだろうな…――
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