time~元暴走族豊×キャバ嬢カナ~
このマンションに居座ってから、もう1週間が過ぎようとしていた。


それなのに俺は毎日何もせずにボーっとしている。


たまに出かけてゆくお前の後姿を見ながら、寂しさを募らせていたんだ。


そして、その寂しさを埋めるためにお前を抱いた。


ただ、お前を手離したくはなかった。


でも、そのために何をすればいいのか、何が出来るのかわからない俺は体を重ねる事で安心感を求めた。



「豊。」


「ん?」



今日もただがむしゃらにお前の体を求めた後、ベッドの上で呼吸を整えていた。



行為を終えた後はいつだって罪悪感が襲う。


お前に背を向けたまま、煙草に火を点けた俺の背中にお前はそっと触れた。



「あたし、住むところ見つけた。いつまでもここには居れないから。」


怖くて……


お前が一人で進んでゆくことが怖くて…――


返事ができずにいる俺はなんて小さな男なんだ。
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