time~元暴走族豊×キャバ嬢カナ~

それから2日後になっても、俺はお前の話を聞く気にはなれずに、ただダラダラと日々を送っていた。


何かに悩み、時折ボーっとしているのはわかっていたけど、お前の心と向き合う自信がまだ持てずにいる。


でも、変わりたい。


もう一度、お前を失う前に俺自身が変わらなければ……


そう勢いだったのはいいけれど、何をどうしたらいいのかわからない俺は翔に連絡をとった。


「あの頃の気持ちに戻りたい。」


何の脈絡もなく、そう言った俺に翔は「そんなの簡単だ。みんなで集まればいい。」と答えをくれる。


翔の言っていることが、正しいのかなんてわからないが、何もしないよりはマシだと思った俺はカナに内緒で昔のメンバーに連絡をとった。


みんな、快く「わかった」と返事をくれる。


そうだ俺には“仲間”がいるんだ。


どんなことも分け合ってきた“仲間”が……


カナばかりを見ていて、そんな大切なことさえ忘れかけていた。
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