time~元暴走族豊×キャバ嬢カナ~
「車、置いてくるから先行ってろ。」
「あぁ。」
俺は返事をしながら、大きな門の前で車から降りた。
久しぶりに来たけど、やっぱりでかいよな。
門を勝手に開き、自分の家のように足を進める。
監視カメラで俺が来たことはもう知っているはず。
この馬鹿でかい家は秀の雇い主の物。
そして、その雇い主とは……
「豊!!」
ドアノブに手を掛ける前に開かれた扉。
「お久しぶりっす。」
「本当だ。心配かけさすな。」
ペコリと下げた俺の頭を片手で掴み、ワシャワシャと髪をかき回す男。
「すいません。」
「いいから中に入れ。」
この男が秀の雇い主であり、俺達の先輩。
そして、姉貴の旦那だ。