time~元暴走族豊×キャバ嬢カナ~
「おい。最近何かあったのか?」
体のダルさからなのか、豊に言えずに悩んでいるからなのか、外に出る気になれないあたしはボーッと部屋の中で過ごしていた。
そんな時、ふいに豊に話し掛けられて冷や汗をかいた。
「別に。」
豊が何かを感じ取っていること事態が怖かった。
「ならいいけど……話せよ。」
「何を?」
「何かあるなら話せ。」
「わかった。」
豊、嘘をついている、あたしに気付いてる?
気付いてるならば、問い詰めて吐き出させて。
あたしはまだ自分の口からは言えそうにない。
でも、一人でも抱えきれないんだ。
「何日か実家に帰ろうと思う。」
「えっ?」
豊にどう接していいのか戸惑っていたあたしは豊のほうを見ずに会話をしていた。
けれど、咄嗟に向けてしまう視線。
バッチリ豊と目が合った。