time~元暴走族豊×キャバ嬢カナ~

チャリーン


ドタドタドタ



“EDUTILOS”に行けば、胸の辺りにつかえている何かが解決するような気がして、あたしは無我夢中で走った。


そして、そのままの勢いで店の中に走り込む。



そんなあたしを驚いた顔で見ている文ちゃんは、


「どうした?」


といつもと変わらない穏やかな口調で出迎えてくれた。


「どうもしない。」


乱れる呼吸を整えながら、定位置に座るあたしは言っていることがおかしい。


こんな風に駆け込んで店の中に入ってきたのだから、どうもしないはずがない。


文ちゃんのように不思議に思うのが普通だし、それに何もないと答えることはおかしなこと。


「なら、今日はいつもと違うな。」


「そうかもしれない。」


それなのに……


そんなめちゃくちゃなあたしに、こんな風に接してくれる文ちゃんはやっぱりホッとする。


“EDUTILOS”へ来たことは間違っていなかったと思えてしまう。


< 365 / 398 >

この作品をシェア

pagetop