time~元暴走族豊×キャバ嬢カナ~
文ちゃんはシャツを元に戻し、腕時計をしたのにも関わらず、あたしの瞳は動けずにいた。
まだ、そこに見える大きな傷跡。
「カナ。何があっても逃げちゃいけない。目を背けちゃいけない。そして、カナなりでいいから愛してやれ。」
「あたしなりに愛する?」
「あぁ。愛した結果、出した結論ならどんな結論であっても正しいんだ。そこに愛情があるかどうかが重要だと思う。」
「愛情……。」
「難しいことだけどな。」
と微笑んだ文ちゃんの表情があまりにも穏やかで、何故かあたしまで穏やかな気持ちになる。
あたしは……この命をどうしたい?
この命を愛してる?