time~元暴走族豊×キャバ嬢カナ~
そんなことを考えていると、浮かんでくるのは豊の顔ばかり。
初めて豊に会った日のことや、豊を好きだと思った日。
一緒に笑い合った豊。
豊の大きな背中。
泣きそうな顔も、嬉しそうな顔も、睨み付けられてる顔も……
全部が愛しい。
だから、豊との間に授かった命を愛していないはずがない。
あたしはこの命を愛してる。
もっともっと愛したい。
「話すべき相手の所に帰ったらどうだ?」
「そうする。ありがとう。文ちゃん。」
「礼を言われる筋合いはねぇよ。俺は自分のためにしてるんだから。」
「自分のため?」