time~元暴走族豊×キャバ嬢カナ~

そんなことを考えていると、浮かんでくるのは豊の顔ばかり。


初めて豊に会った日のことや、豊を好きだと思った日。


一緒に笑い合った豊。


豊の大きな背中。


泣きそうな顔も、嬉しそうな顔も、睨み付けられてる顔も……


全部が愛しい。


だから、豊との間に授かった命を愛していないはずがない。


あたしはこの命を愛してる。


もっともっと愛したい。


「話すべき相手の所に帰ったらどうだ?」


「そうする。ありがとう。文ちゃん。」


「礼を言われる筋合いはねぇよ。俺は自分のためにしてるんだから。」


「自分のため?」


< 372 / 398 >

この作品をシェア

pagetop