time~元暴走族豊×キャバ嬢カナ~
工場の灯りが消えていたから、真っすぐにに自宅へと続く階段を駆け上がった。
玄関のドアを開けると、久しぶりの我が家に柄にもなく緊張してしまう。
緊張のせいか、ボロボロのスニーカーがなかなか足から外れてくれない。
そんな風にモタモタしていたせいで、居間から母さんが顔を出した。
「豊?」
いつだって変わらない、母さんのエプロン姿。
「ただいま。」
「お帰りなさい。」
勝手に飛び出していった俺に、理由も聞かずに出迎えてくれる母さんには……
きっと何歳になっても適わないだろう。
「荷物を置いたら、こっちに来ない?今、コーヒーをいれようと思ってたの」
「あぁ」