time~元暴走族豊×キャバ嬢カナ~
「さて、そろそろ寝ようかしら。豊もお風呂にでも入ってきたら?」
カナのことで舞い上がりすぎたのか、俺と親父が話をしていたことを忘れている素振りの母さん。
無視するわけにもいかず、
「話がまだだから。」
と返事をした?
「まだ、何かあるの?」
「あっ?」
マイペースというか、なんというか……
母さんの言動に苛ついてしまう。
「親父の気持ちを聞けてねぇ。」
「そんなの、聞かなくても決まってるじゃない。カナさんと結婚するんだから、豊はお父さんの所でしっかりと働かなくちゃ。ねぇ、お父さん?」
「あ、あぁ。そうだな。」
母さんも母さんだけど、親父も親父だ。
俺の気持ちが伝わっているのかさえわからないのに、母さんに流されるように返事をするなんて……
「それでいいのかよ?」
「えっ?」
俺の声質が変わったせいか、母さんは驚いた表情のまま動きを止めた。