time~元暴走族豊×キャバ嬢カナ~
まだ、揉めてはいるけれど大丈夫そうだと思い、体を動かそうとしたその時……
「ふざけてんじゃねぇ。」
という怒鳴り声と共に、鈍い音が聞こえた。
そして、車道へと飛び出す秀の体。
俺は咄嗟に走り、秀の体を歩道側へと押し込んだ。
その反動でバランスを崩してしまう。
さっき目に入ったライトが明らかに俺の元へと近づいてきた。
逃げられねぇな。
そう感じたときには、クラクションの大きな音と、秀の叫び声が聞こえた。
余りにも一瞬の出来事になんだか痛みすら感じねぇ。
ただ、お前の顔ばかりが浮かんでくるんだ。