time~元暴走族豊×キャバ嬢カナ~
軽快な音楽と共に照明が少しずつ明るくなっていく。



「もう終わりか。いつもだけど早いよな」



浅葱の手があたしの体から離れるのを確認すると、直ぐ様顕になっていた胸を隠す。



あたしには長いんだ……



この時間が1日で一番長いんだよ。



「ゆめかちゃん。また来るね」



少しのお喋りを交わし、浅葱は夢の世界から現実へと帰っていく。



あたしもこれで今日の仕事は終わりだ。



更衣室へ行き、ロッカーの前で着替えを済ませた。



「お先でーす」



まだ下っぱのあたしは先輩達のご機嫌を伺うように店を出る。



外は暗闇に包まれているけれど、すぐに夜は明けるだろう。



足早に自分の寝床へと向かった。



朝日は浴びたくない。



このままの体で朝日は浴びたくないんだ。



部屋に入るなり、バスタブにお湯を張り、お風呂に入る準備をした。



シャワーだけじゃ、あたしの体についた汚れは洗い流せない。



汗を掻き、毛穴の奥から汚れを抜き取らないと……
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