time~元暴走族豊×キャバ嬢カナ~
お前は何を考えて、そんな所で生きてるんだ?


再び、翔の話を思い出してしまう。


“カナちゃんは今……キャバクラで働いている”


“しかも、何でもアリなんて言われてる、あのビルのキャバクラだ”



俺から離れたのはそんな事をするためだったのかよ?


そうだとしたら……


俺は…――


俺の気持ちは…――


どうしたらいい?



「ゆーたーかー!!」


ボンネットを開き、オイルを流し込んでいると背後から奴の声がする。



俺は聞こえない振りをしたまま、作業を続けた。



「聞こえてるくせに!!」


そう言いながら翔は俺の視界に入ってきた。


「うるせぇな。俺は仕事中だ。暇な学生とは違うんだ」


翔を振り切るように奥の事務所へと入ると、翔も後を追いかけてくる。
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