time~元暴走族豊×キャバ嬢カナ~
「俺はなぁ~お前を心配して来てやったんだぞ」


「何で俺がお前なんかに心配される?」



ソファーに座り、煙草に火をつけた。


コイツがいたら気が散って仕事にならねぇ。


少し早いけど、昼休憩がてら休む事にした。



「お前覚えてないんだろ?」


「何がだよ」


「昨日の事」


翔もタバコに火を点けると、俺の隣に腰掛けた。



「飲みすぎた」


「あぁ~そうだな。飲みすぎて、周りに喧嘩は売るし、暴れるし、大変だったんだぞ」



そんなに取り乱していたのか……


たかが昔の女の名前を聞いただけで…


違うな。


昔の女の消息を知っただけで、取り乱してしまうなんて情けない。



「悪かった」


「礼はいいよ。それより最後まで話を聞いてないだろ?」


そうなのか?


どこが最後で、翔が何を話したかったのか俺にはよくわからねぇ。
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