time~元暴走族豊×キャバ嬢カナ~
翔も秀もヘブンの面子。


俺を総長として認めてくれて、いつだって共に乗り越えてきた。


懐かしいな。



翔は国立大学に進み、秀は専門学校に進んだ。


俺は……


このオンボロ工場を選び、それぞれが違う道を歩み始めたけど、ちょくちょく飲みに行っていた。



翔は誰とでも打ち解けられる性格上、大学生活も上手くやっているらしい。



でも、秀は上手くいかずに一ヶ月も経たないうちに学校を辞めた。



そして、今は夜の世界へと身を置いている。


ヤクザと呼ばれる世界に足を踏み入れたんだ。



暴走族をしていたら、その道に入るしかない。


誰から聞いた言葉だっただろう。


俺達はそんなことこれっぽっちも思っていなかった。


その辺にいる高校生と何も変わらないはずだった。


そう思っていたのは俺達だけだったんだろうか?
< 58 / 398 >

この作品をシェア

pagetop