国王陛下は無垢な姫君を甘やかに寵愛する
ラウニオン国の領海域、エメラルドグリーンの輝く海にぽっかり浮かんだ島があり、そこで生活する人々がいた。
島で生活する彼らは、街で暮らす人よりも潜水時間が長い。
彼らは文明に劣っているわけではなく、漁で捕った魚を首都ラーヴァへ行っては売り、服や嗜好品なども手に入れている。
そこに住む彼らは50人余り。
この生活が好きな者もいれば、成人するとこの島を出て、街に住む者もいた。
スラリとした肢体、小麦色の肌、淡い絹糸のような長いブロンドをなびかせていた娘が、急ぎ足で小屋に入っていく。
「おばあちゃん!」
部屋の片隅で魚の鱗取りをしていた老婆にその娘は駆け寄る。
ドスンと老婆の側に座ると、簡素な小屋がぐらりと揺れた。
「ルチア、何度言ったらわかるんだい? 静かに座れと言っているだろうに」
「おばあちゃん! それどころじゃないわ! どうして漁に出てはいけないの?」
先ほど男たちと一緒に海に潜ろうとすると、長老に止められたのだ。
祖母は鱗取りをする手を止めて、ルチアを見た。
生成りの生地は身体の最小限しか隠されておらず、膨らんだ胸の膨らみや小麦色の腕や長い脚が見えている。
祖母はその姿に目を細めてから、少しおいて口を開いた。
「初潮があっただろう? お前はもう女になったんだよ。海の神さまは女を嫌う。女が海に入ると魚が取れなくなるのさ。何度も言ってあるだろう?」
「あ……」
ルチアはどうしてなのか思い出した。
「もうお前は一人前の女だ。身体を露出する服はよくない。長いスカートとブラウスを着なさい。近いうちにジョシュと婚姻の話があるだろう」
「ジョシュっ!?」
ジョシュは18才のルチアと同じ年で、この一族の中ではまあまあの男前だ。
お互いの両親が海で亡くなってから、ルチアの祖母に育てられ兄妹同然に過ごしてきた。そのせいか、ジョシュに対して全く恋心は沸かない。
島で生活する彼らは、街で暮らす人よりも潜水時間が長い。
彼らは文明に劣っているわけではなく、漁で捕った魚を首都ラーヴァへ行っては売り、服や嗜好品なども手に入れている。
そこに住む彼らは50人余り。
この生活が好きな者もいれば、成人するとこの島を出て、街に住む者もいた。
スラリとした肢体、小麦色の肌、淡い絹糸のような長いブロンドをなびかせていた娘が、急ぎ足で小屋に入っていく。
「おばあちゃん!」
部屋の片隅で魚の鱗取りをしていた老婆にその娘は駆け寄る。
ドスンと老婆の側に座ると、簡素な小屋がぐらりと揺れた。
「ルチア、何度言ったらわかるんだい? 静かに座れと言っているだろうに」
「おばあちゃん! それどころじゃないわ! どうして漁に出てはいけないの?」
先ほど男たちと一緒に海に潜ろうとすると、長老に止められたのだ。
祖母は鱗取りをする手を止めて、ルチアを見た。
生成りの生地は身体の最小限しか隠されておらず、膨らんだ胸の膨らみや小麦色の腕や長い脚が見えている。
祖母はその姿に目を細めてから、少しおいて口を開いた。
「初潮があっただろう? お前はもう女になったんだよ。海の神さまは女を嫌う。女が海に入ると魚が取れなくなるのさ。何度も言ってあるだろう?」
「あ……」
ルチアはどうしてなのか思い出した。
「もうお前は一人前の女だ。身体を露出する服はよくない。長いスカートとブラウスを着なさい。近いうちにジョシュと婚姻の話があるだろう」
「ジョシュっ!?」
ジョシュは18才のルチアと同じ年で、この一族の中ではまあまあの男前だ。
お互いの両親が海で亡くなってから、ルチアの祖母に育てられ兄妹同然に過ごしてきた。そのせいか、ジョシュに対して全く恋心は沸かない。