国王陛下は無垢な姫君を甘やかに寵愛する
「まだ動けないだろう? 強情を張るのはやめるんだ」
枕に頭をつけると、目を閉じてルチアはめまいと必死に戦う。
「食事をしてから、薬をもう一度飲むんだ」
ルチアは目を開けて真剣なまなざしで見つめるユリウスを見た。
「すみません……」
「君の恋人も心配している」
「え……恋人……?」
ルチアはキョトンとした表情になった。
「さきほど心配してやって来た青年だ」
「もしかして……ジョシュ……?」
島に若者は七人しかいないが、心配してやって来る青年はジョシュしか思い当たらない。
「ジョシュは恋人ではないです。彼の両親が亡くなって、一緒に暮らしているだけです」
違うと聞いて、ユリウスはうれしさを否めない。
そこへアローラが扉を叩いた後、食事を持って入室してきた。
ユリウスはルチアが起き上がるのを手伝う。
「体力がひどく落ちているから、ちゃんと食べるように」
ユリウスはルチアが食べ始めるのを見届けると、アローラに任せて部屋を出た。
ルチアはパンをミルクに浸した温かい食事を食べ始めたが、二口食べるのが精いっぱいでアローラをがっかりさせた。
「ごめんなさい……せっかくの食事を……」
「いいんですよ。まだ熱が高いので食欲がないのでしょう。お薬を飲んで休んでください」
アローラは優しく微笑み、食事を片付けると、薬を渡す。
「これを飲むんですか……?」
白い紙に包まれ、開けてみると真っ白な粉。初めて見る薬にルチアは戸惑う。
「はい。熱さましでございますよ。先ほどもアドリアーノさまに飲ませていただいたのですよ」
どうやって飲ましたのかは話さず、ルチアが薬を口に含むのを見ている。
とても苦い薬で、ルチアは口に入れた途端吐き出したくなったが、アローラから水を受け取って急いで流し込んだ。
枕に頭をつけると、目を閉じてルチアはめまいと必死に戦う。
「食事をしてから、薬をもう一度飲むんだ」
ルチアは目を開けて真剣なまなざしで見つめるユリウスを見た。
「すみません……」
「君の恋人も心配している」
「え……恋人……?」
ルチアはキョトンとした表情になった。
「さきほど心配してやって来た青年だ」
「もしかして……ジョシュ……?」
島に若者は七人しかいないが、心配してやって来る青年はジョシュしか思い当たらない。
「ジョシュは恋人ではないです。彼の両親が亡くなって、一緒に暮らしているだけです」
違うと聞いて、ユリウスはうれしさを否めない。
そこへアローラが扉を叩いた後、食事を持って入室してきた。
ユリウスはルチアが起き上がるのを手伝う。
「体力がひどく落ちているから、ちゃんと食べるように」
ユリウスはルチアが食べ始めるのを見届けると、アローラに任せて部屋を出た。
ルチアはパンをミルクに浸した温かい食事を食べ始めたが、二口食べるのが精いっぱいでアローラをがっかりさせた。
「ごめんなさい……せっかくの食事を……」
「いいんですよ。まだ熱が高いので食欲がないのでしょう。お薬を飲んで休んでください」
アローラは優しく微笑み、食事を片付けると、薬を渡す。
「これを飲むんですか……?」
白い紙に包まれ、開けてみると真っ白な粉。初めて見る薬にルチアは戸惑う。
「はい。熱さましでございますよ。先ほどもアドリアーノさまに飲ませていただいたのですよ」
どうやって飲ましたのかは話さず、ルチアが薬を口に含むのを見ている。
とても苦い薬で、ルチアは口に入れた途端吐き出したくなったが、アローラから水を受け取って急いで流し込んだ。