神にそむいても


ブランチを終えて、いつものように姫の退屈しのぎに付き合っていると、
ドタドタと存在感を示す足音がきこえてくる。
皇子だ。


「美姫!美姫はいるか!」

遠くからきこえる私を呼ぶ声。

「まぁ、お兄さまったら。
 最近ではすっかり美姫ばかり相手にして」

笑いながら言うものの、
目は確実に笑ってない姫の視線が突き刺さって痛い。

「ハハハ」

皇子!
マジで空気読め!


「おお、やはりここにいたか」

皇子が現れた。
走ってきたんだろう、息を整えている。

「はい、どうされましたか?」

「今から俺についてこい」

「はい?」

姫がギロリ私をにらむようにして見る。

「勿論、姫も一緒に行くぞ」

「まぁ嬉しい!
 私もご一緒していいの?」

「あぁ」



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