神にそむいても
智と再会してから一週間が経った。
皇子は来ない日もあるけど、智は欠かさず会いに来てくれた。
そのせいか、姫は少しご機嫌ナナメ。
「お兄さまが来れない日もあるんだから、少しは遠慮したら?」
なんてイヤミっぽく言われる。
でも、私も智もテキトーに愛想笑い。
そして、今夜も智だけやってきていた。
不機嫌そうにする姫を尻目に私たちは自分の部屋に早々に引っ込む。
「ねぇ、智やせた?」
智に抱きつくと感じる。
元々線の細い智。
それがここ数日間であっという間にあちこち骨ばった印象が強くなった。
「多分な」
「そうだよね。この世界の食事、智の口には合わないかもね」
元々チョー偏食の智。
好き嫌いの少ない私でも時々ムリなものもあるし、
好き嫌いの多い智は厳しいだろうなって感じることがよくある。
「うん。
でもここじゃそんなこと言ってたらマジ死ぬから
なんとか食べるのがんばってるんだけどな。
つか、皇子もけっこう好き嫌い多くてウケた」
「そうなんだ」
私たちは顔を見合わせて笑った。
でも、なんかわかる気がする。
皇子と智は外見こそ私と姫みたいに似てないけど、性格は似てるなって思うことが時々あるから。
「コンビニ行きてぇ」
「わかる~。私、今だったらミスドの気分かな~」
「うわ、やっべ。オレもオールドファッションが今ムショーに食べてぇ」
「私、フレンチクルーラーがいいっ!」
「あー美姫好きだよな」
「うん。あとね、スタバのキャラメルフラペチーノが飲みたい!」
「あーいいな。スタバ行きてぇな」
「ね~」