神にそむいても


「じゃあ、斉藤(サイトウ)さん」

「はいっ」

隣に座るしほりは突然名前を呼ばれ、ビックリして背筋をピンと伸ばす。

「遅刻した罰にこれ訳して」

「えぇ!?
 ……えっと、カナギをつけている私の飼っている、
 ……駒、違う、駒は馬のことか。馬は……」

しほりは当てられてワタワタ。
ホワイトボートとプリントを交互に見ながら、しどろもどろに発言し出す。

当てられなくてよかった。

「『引き出せず』?引いて出せない~?
 私の飼っている馬は人を見つめているか、そうに違いない。ですっ!!」

「斉藤さんありがとう。せっかく訳してくれたけど、それだと点数上げられないわね」

「マジっすか~」


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