神にそむいても


「どうだった?」

ふとんに入ったまま智は
私のカラダのあちこちに口づけをしてくれていた。

その心地よさにまどろんでいると智がきいてきた。

「ん?」

「孝徳天皇。会ったんだろ?」

智は私と並ぶと腕枕をしてくれる。
私は智の胸に頭を押し当てた。

「あ~、うん。姫が言ってた通りだよ」

顔を上げると少し斜め上の智は軽くキスをくれた。

「気持ち悪いってヤツ?」

智はクスッと笑った。

「うん。でね、私あの人見たことあるんだよね」

「え?」

「夢で」

「夢?」

 智がけげんそうに私を見る。

「うん、夢で。
 ほら私、研修旅行の初日、体調悪かったでしょ?」

「あぁ」

「その時、バスで寝てた時に見たの」


そうして、私はその夢のことを話した。



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