神にそむいても
皇子は忙しいのか、今夜も来ない様子。
そして智の手がかりはつかめてないのか、依然皇子からの連絡はない。
「美姫さま」
夜もかなり更けてふとんの中でウトウトしてると、
秋保さんがそっと声をかけてきた。
「智いたの!?」
急いでふとんから出る。
「いえ」
ローソクの灯りに照らされた秋保さんが小さく首を横に振る。
「美姫さまを訪ねて来られた方が」
「こんな遅くに?姫じゃなくて私に?」
「はい」
「誰?」
「姫のお母さまの使いです」
え!?
皇極天皇の?
なんで?
なんで私?