神にそむいても
「ただいま~」
いつもの習慣で家に誰かいようがいまいが言う。
だけど、今日はすでに誰かが家にいる気配。
孝くんかな?
玄関の隅によく見るスニーカーがきれいに置かれてあった。
「おかえり~」
やっぱりそうだった。
智の部屋から出てくる孝くん。
ニッコリ笑って出迎えてくれた。
ガッコーでも評判のカッコかわいい孝くん。
特に笑顔はステキ。
騒がれるのはよくわかる。
「遅かったね」
「うん、帰りに図書室でしほりたちと勉強してきたから」
もっとも、話が大半で勉強なんてほとんどできなかったけど。
「そうなんだね」
「てか、孝くんは?部活は今日から休みだっけ?」
「そ、だから、オレも智とベンキョー中」
「そうなんだ」
孝くんと智はバスケ部に所属。
ウチの高校で練習試合がある時なんか、他校のコが彼ら目当てに見学に来るほど。
テスト1週間前なので、今日から全部活活動中止だ。