神にそむいても
宮中に着いて阿倍さんに案内された部屋の大きさは
姫のところで住まわせてもらっていた部屋の倍はあった。
そして、立派な調度品の数々。
部屋に通されるまでに見かけただけでも
使用人の数が姫のところよりもはるかに多いことがわかった。
姫のところも絶対にこの世界では一流のおウチなんだと思う。
けど、やっぱりここはけた違いだ。
なにもかも違いすぎる。
これ、秋保さんがいてくれなかったら、絶対ホームシックになってた。
ふふふ。ヘンなの。
私がいた世界じゃなく、姫の家を思い出すなんて。
秋保さんを見るとやさしく微笑んでくれて、ホッとする。