神にそむいても
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う~ん……。
まぶたをこじ開ける。
どこ?ここ……。
見たことのない天井。
「美姫!?」
え?
私の顔をのぞきこむのはお母さんだった。
え……?
「よかったぁ」
私の手を両手で包み込んで涙ぐんでるお母さん。
私は視線だけを動かす。
やっぱり見覚えはない。
「ここ、どこ……?」
「病院よ、奈良の。美姫、研修旅行で倒れたのよっ」
あぁ、そっか……。
体を起こすのはきつくて目だけで周りを見回すと、
確かに病院っぽい。
一人部屋らしく、他にベッドはない。
壁に掛けてあった日めくりカレンダーを見ると、
研修旅行からわずか一週間しか経っていなかった。
「ねぇお母さん。あのカレンダー」
「ん?」
お母さんは私の視線の先をたどる。
「どうした?」
「あの日付って合ってるの?」
「合ってるわよ。
あなた一週間も意識が戻らなかったのよ」
「……そっか」
一週間か……。
あの世界ではそれ以上の時間を過ごしてたはず。
やっぱり長い長い夢を見てたのかな……。