神にそむいても


残された私。

智のカオがこわいんですけど……。


「孝とキスしたってマジ?」

うっわ!
耳打ちしてたのはそれか!!


「マジか……」

智は私のカオを見てショックを受けてる。

それを見てると申し訳ないキモチとともに湧いてくる疑念。

「てか、そういう智こそどうなのよ」

「はぁ?」

「太田さんとキスしたんじゃないの?」

「は!?なんでだよっ。してねぇしっ」

智の焦り方。

絶対に智もしてる!!

「したんだ!」

「いやっ、あれは向こうがその不意打ちでっ」

「……フフ」

しどろもどろ。

そんな智がかわいくて口撃をやめた。

そして、チュッ、智の唇に軽くキスをした。

不意打ちをくらった智は一瞬面食らうけど、
すぐににんまりと笑って私を抱きしめてくれる。



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