神にそむいても


その夜、私たちはネットで皇子や姫のことを色々調べた。

ずっと気になってはいたけれど、
なんとなく知るのもこわかった。

智もなんとなくおんなじ気持ちだったみたいで、
私たちは皇子たちのことは調べようとはしなかった。


あの日皇極天皇が言ってた通り、
間人皇女とのことで中大兄皇子は天皇にならずにいた。

そして、姫が亡くなったあとに皇子は天智天皇になったことを知った。


研修旅行前の古典の授業で習った通り、
姫は孝徳天皇に嫁いでその後に子供ももうけてる。

だけど、色々調べても
間人皇女のことはそれ以外ほとんどわかっていなくて生年月日すら不明。

秋保さんやうたさんにいたっては
当然かもしれないけれど記録にすら残っていない。

でも、私は確かに覚えてる。
あそこで出逢った人たちのことを。

絶対に忘れない。
忘れられない。



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