神にそむいても
結局、智が研修旅行の二日目の自由時間に誰とまわるのかきけないまま。
そして、催促してこないことをいいことに孝くんへの返事はしていないまま。
期末テストは終了した。
「晴れてよかったね~」
大きく伸びをしながら言ったしほりのテンションが上がってるのがわかる。
それに対して小さくうなずくことしかできなかった。
期末テストが終わり、今日から研修旅行。
さっき新大阪駅に着いて専用バスが来るのをバス乗り場で待っているところ。
地元はザアザア降りの雨だったけれど、大阪は雲一つない快晴。
それに関西は地元に比べて明らかに湿度が高い。
湿気とアスファルトから上がってくる熱気が今の体調だとなおさらに不快な気分になる。
昨日の夜あまり眠れなかったからか、行きの新幹線でも少し酔ったし。
なんだかすごく気分が冴えない。
「美姫、やっぱりセンセーに言ったほうがよくない?顔色悪いよ」
「う~ん。いよいよガマンできなくなったら言う。とりあえずまだ大丈夫そう」
「ホント?ムリしないでね」
「ん、ありがと」
そんな会話をしてなんとかやりすごしていると、
“白鳳ハクホウ高校 ご一行様”と書かれたバスが続々と乗り場に滑り込んでくる。
私としほりは3組。
担任の指示で3号車に乗り込んだ。