神にそむいても


最初の目的地は平城京。

途中トイレ休憩はあるけれど、ほぼ1時間半乗りっぱなし。

元々乗り物酔いする上に、今日は朝からすごく気分がすぐれない。
正直、不安極まりない。


「ごめん、しほり。とりあえず現地まで寝る。ごめんね、外見えないし」

しほりと隣同士。
窓際に座らせてもらい、せっかくの景色もカーテンでシャットアウト。

「いいよ、いいよ。ちゃんと前とかから見えるし。ちゃんと寝な。
 アイスノンみたいなのもらってこようか?」

「ん、そだね。ありがと」


しほりはすぐに小さめのアイスノンを持ってきてくれた。

それを当てしばらくすると随分とラクになって、スッと夢の中に入っていった。


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