神にそむいても


会議場に入って早々、期末テストの答案用紙を返却された。

クラスごとに苦手な教科をピックアップして、そこを重点的に復習。


で、今はその内容をふまえてのテスト中。

場内はシンと静まり返っていて、
聞こえるのはシャーペンを動かしたり紙がすれたりする音だけ。

時々、見回りのセンセーたちの足音がそれに混じる。

中には疲れからかウトウトしちゃう人もいて。

「加藤(カトウ)!夏休み中ずっと会えること楽しみにしてるぞ」

こんな感じに、みんながびっくりするような声のボリュームと脅しにも似た内容で起こされてしまう。

恥ずかしいのもあって、みんなかなり真剣。


「じゃあ終了!」

担任の吉田(ヨシダ)センセーの号令で勉強会は終了した。

就寝時間まではあと2時間あるし、それまではここで勉強していく人もいる。


「美姫は?やってく?」

しほりはまだやっていくようで、机の上はそのままにしてる。

「私はいいや。やっぱりなんか今日きついわ。先に部屋に戻るね」

「そっか。気をつけてね」

「うん、ありがと」


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