神にそむいても


しほりと私、あと2人の女子の4人部屋。

他の2人もまだ戻ってきてなくって、部屋はなんだかガランとしていた。

畳の部屋。
すでに部屋にはふとんが4組敷いてあって、窓際のふとんに飛び込んだ。


すごく疲れた……。
観光もしてないのに。

もちろん、体調が悪いこともあったけれど、
決してそれだけではないことぐらい自分でもわかってる。

精神的にひどくめまぐるしかった。
智のこと。昼間見た夢のこと。
そして、孝くんとのこと。

孝くんとのこと、熱にうかされたんだと心のどこかで言い訳してる自分がいる。
サイテーだ。

でも、仕方ない。
なんて、またすぐに言い訳をする。

ねぇ、私は誰に言い訳したいの?


「はぁ……」

右手をオデコ当てた。
まだやっぱり熱があるっぽい。

お昼のことはきっと、全部夢だったのかな。なんてね。



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