神にそむいても


「……本当のところはどこなの?」

目が笑ってない!
もう冗談は言っちゃいけない空気が流れる。


「まぁ、おそらくこの国の東の小さなところです」

「……そうなのね、倭国にも色々あるようですものね」

私の目をじっと見つめた後、
ウソを言っていないと踏んだ姫は何度も小さくうなずく。

この時代はまだ日本のことを倭と呼んでたの?
ってことは多分平安時代よりも前の時代だよね。

てか、そもそもマジでここどこよ!


「あのっ、ここはなんというところですか?」

姫は一瞬きょとんとして、やがてクスクスとホントにおかしそうに笑い出す。


「あなた、本当にご自分がどのようにここまで来たのか覚えていらっしゃらないのね?」

「はい、まったく……」

「ここは、……難波よ」

姫は”難波”という言葉を少しだけイヤそうに強調した。

難波、今の大阪か。
でも、なんでイヤそうに言ったんだろ。




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