【新】レンタルフレンド~お友達をお貸しします~
反対する両親を説得してくれたのは、お姉ちゃんだった。

――いつも大人しかった綾美がこう言っているんだから、綾美の好きなようにさせた方がいいと思う

お姉ちゃんはそう言って、両親を説得してくれた。

ちょうどその時、お父さんが県外にある新店舗の店長を任されることが決まった。

それのこともあって、両親も渋々ながらわたしを県外の高校に通わせることを了承してくれたわ。

あの時はお姉ちゃんが賛成してくれたことに感謝したけど、今思うと…お姉ちゃんは、わたしがいじめられていたことに気づいていたんだと思う。

いじめのことは両親にもお姉ちゃんにも話していなかったけど、お姉ちゃんはどこかでそのことに気づいて、わたしを県外の高校に通わせることを許してくれたんだと思う。

今の高校に合格して、中学卒業と同時にお父さんと一緒にこの街から出て行った。

これで自由なんだって思った。

わたしのことを誰も知らない場所で、新しい生活を始めることができるんだって思った。
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