【新】レンタルフレンド~お友達をお貸しします~
「家から出てきたのは友香ちゃん――綾美のお姉さんでした。

友香ちゃんから綾美は中学卒業と同時におじさん――綾美のお父さんと一緒にこの街を出て、県外の高校に進学したと言うことを聞かされました。

あたしは友香ちゃんに中学時代のことを話して、裏切っていじめたことを綾美に謝りたいと言いました。

話を聞いた友香ちゃんはあたしに向かって叫んだんです」

――裏切り者!

みち子の胸倉をつかんで叫んだその様子が小夜子に伝わった。

――お前のせいで綾美がどんな思いをしたのかわかってるのか!?

――お前の自分勝手な理由のせいで綾美の心は殺されたんだぞ、この犯罪者!

――綾美を殺したお前を、私は一生許さない!

――お前に綾美を会わせる権利なんてない、綾美に謝る資格なんてない!

「あたしに向かって罵倒をする友香ちゃんに、あたしは何度も謝りました。

綾美をいじめてごめんなさい、綾美を裏切ってごめんなさい、綾美の心を殺してごめんなさい…何度も何度も、土下座して謝りました」

みち子は泣きながら言った。
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