【新】レンタルフレンド~お友達をお貸しします~
4時過ぎに小夜子はN県から戻ってきた。

両親には日帰り旅行に行くと言って出たため、小夜子の手には先ほどN県の駅で買ってきたおみやげの入った紙袋があった。

「後は綾美ちゃんにきてもらうだけだ」

綾美にきてもらうための誘い文句を考えていたら、
「光浦さん?」

後ろから誰かに声をかけられたので振り返ると、由紀恵だった。

「こんにちは」

あいさつをした小夜子に、
「こんにちは、旅行に行ってきたんですか?」

由紀恵が聞いてきた。

「はい、日帰りですけども行ってきました。

社長はお仕事の帰りですか?

お疲れ様です」

そう言った小夜子に、
「ありがとう、光浦さん。

これから弁護士さんと会う約束をしているから、家に帰るのはもう少し後なんですけどね」

由紀恵が言った。

「…弁護士、ですか?」

彼女の口から出てきた職業に、小夜子は聞き返した。
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