【新】レンタルフレンド~お友達をお貸しします~
「でも、あなたのことは恨みたくない」

続けて言った由紀恵に、浜島は顔をあげた。

「もうこれ以上恨んだって、仕方がないだけでしょう?

私もあなたも前を向いて歩くことができないから」

由紀恵はそう言うと、浜島に背中を向けた。

「でも、1つだけ条件を出すわ」

由紀恵は人差し指を後ろにいる浜島に見せた。

「もう2度と、私の前に姿を見せないでちょうだい」

そう言った由紀恵に、
「はい、本当にごめんなさい…」

浜島が呟くように謝ったことを確認すると、
「さようなら」

由紀恵はそう言うと、病室を後にした。

パタンと、目の前のドアが閉まった。

「さようなら…。

そして、ごめんなさい…」

目の前のドアに向かって、浜島が呟いた。
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