【新】レンタルフレンド～お友達をお貸しします～

９月になった。

由紀恵に逆らったせいでクビになるかも知れないと怯えていた小夜子だったが、そのようなことは特になく仕事を続けていた。

「光浦さん、外回りに行きますよー」

そう声をかけてきた由紀恵に、
「はーい、今行きまーす」

小夜子は返事をすると、残業申請の書類を書きあげた。

「お願いします」

そう言って幸代に書類を渡すと、
「はい、行ってらっしゃい」

幸代は笑顔で言った。

小夜子はカバンを手に持つと、
「お待たせしましたー」

すでに準備を済ませていた由紀恵のところに歩み寄った。

「では、行きましょうか」

「はい」

小夜子と由紀恵はオフィスを後にした。

入社から２ヶ月経って増えた新しい仕事内容に、小夜子はワクワクしていた。