【新】レンタルフレンド~お友達をお貸しします~
澄香はフンフンと鼻息を荒くして店内――と言うよりも、店員の方を物色していた。

後で気に入った店員にLINEのアカウントでも教えるんだろうなと、小夜子は思った。

「こちらです」

依頼者がテーブル席に案内すると、相手側の男性たちはすでにきていた。

彼らはピシッとスーツを着こなして自分たちのことを待っていた。

(ひぇーっ、何だか格が違うなあ…)

さすが医者だと、小夜子は思った。

なるべくボロを出さないようにしようと心がけるのだが、うっかりしたらボロが出てしまいそうで怖くて仕方がない。

(川越さんと春田さんに押されて引き受けちゃったけど、今となっては後悔しか感じてない…)

チラリと澄香の方に視線を向けると、彼女はキラキラと少女のように目を輝かせて男性陣たちを見つめていた。

「ほーっ」

マキヨは口をハニワのように開けて男性陣たちを観察していた。

どこ吹く風の様子の彼女が、今はうらやましくて仕方がなかった。
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