【新】レンタルフレンド~お友達をお貸しします~
(やっぱり、引き受けるんじゃなかった…)

合コンは盛りあがっているが、小夜子の気持ちは自分でも恐ろしいくらいに盛り下がっていた。

澄香はお目当ての男性とLINEのアカウントを交換していた。

「わーっ、超すごいっすー!」

マキヨは男性陣を褒めたたえていた。

(わ、若い…。

実に若過ぎる…)

新入社員ならではのマキヨの無邪気さが今はうらやましくて仕方がない。

グイグイとお目当ての男性に積極的に近づいている澄香の肉食ぶりも、小夜子はうらやましさを感じた。

(クッソー、もう食べて食べて食べまくってやる!

食べて飲んで元を取りまくってやる!

わたしは『ラグタイム』の料理を食べるために、合コンに参加したんだ!)

小夜子は開き直ると、自分に言い聞かせた。

すでに冷めてしまったミックスピザに手を伸ばすと、それにかじりついた。

冷めていてもピザと言うものは美味いものである。

その後はガツガツと、小夜子は飲み食いをして自分の存在意義を証明させた。
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