【新】レンタルフレンド~お友達をお貸しします~
「ああ、何か趣味を持ちたいからマキを指名したってことっすかー?」

話がわかったと言うようにマキヨは聞いたが、
「もちろん、それもあると言えばあります。

だけど、1番の理由は…」

愛香はそこで言葉を区切ると、マキヨを見つめた。

「1番の理由、すか…?」

マキヨは愛香の口からその答えが出てくるのを待った。

「結婚する前に友達の気分を味わいたいからです」

愛香の唇が動いて、音を発した。

「き、気分っすか?」

マキヨは訳がわからなくて、首を傾げた。

「私が『ハッピーライフ』の存在を知って春田さんたちに会うことができたのは、何かの縁じゃないかと思うんです。

これでもし結婚しちゃったら、もう2度と友達の気分を味わうことができないんじゃないかと思って」

愛香はそう言うと、目をそらすようにうつむいた。
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