【新】レンタルフレンド~お友達をお貸しします~
(違う人だって川越さんは言ってるけど、“山田”とか“鈴木”みたいにたくさんいる訳じゃないんだし…)

もし自分が思っている“白川”とマキヨが言っていた“白川”が同一人物だとしたら…と思うと、小夜子はいても立ってもいられなかった。

今だってこうして澄香と雑談を交わしている場合ではない。

「でも気になりますので、今日は失礼します。

また誘ってください、では!」

小夜子は澄香に頭を下げると、マキヨと同じく走ってオフィスを後にした。

「えっ、ちょっと…」

呼び止めようとした声は、すでに立ち去ってしまった小夜子の耳に届いていなかった。

「あの子、どうやって春田のことを探すって言うのよ。

それよりも、どこで合コンをやるか聞いてるのかしら…?」

澄香は呆れたと言うように息を吐いた。
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