【新】レンタルフレンド～お友達をお貸しします～
「おめでとうっすー！」

マキヨが声をかけたので、愛香ははにかんだように笑った。

チラリと各務原の方に視線を向けると、戸惑いながらだが彼も笑っていた。

その時、ガタッと後ろから誰かが立ちあがった音がしたのでマキヨは視線を向けた。

キャスケットをかぶったその人物は早足で喫茶店を後にした。

マキヨはその人物の後を追うために、喫茶店を飛び出した。

「琴ちゃん！」

喫茶店を出て少し走ったところで、マキヨは声をかけた。

名前を呼ばれた当人はキャスケットを外すと、マキヨの方に振り返った。

「何だ、わかってたの」

琴子はやれやれと言うように息を吐いた。

「小学生時代からの友達がわからない人なんていないっすよー」

マキヨはニッと歯を見せて笑った。
< 254 / 405 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop