【新】レンタルフレンド~お友達をお貸しします~
その日の夜のこと。

「へえ、そんなことを言われたのか」

そう言った津田に、
「だから、どうしようって悩んでいるのよね…」

安里は息を吐いた。

今夜も津田は忙しい合間を縫って安里のところへ会いにきた。

いつものように行為を終えた後、津田に今日の出来事を相談したところである。

「美紀ちゃんって、あの…?」

美紀のことを思い出そうとしている津田に、
「そうよ、いつだったかパパと外でデートしていた時に出会ったあの子よ」

安里は返事をした。

「あの時はビックリしたよなー、まさか学校の友達と遭遇することになるなんて」

その時の出来事を思い出したのか、津田はやれやれと息を吐いた。

「でも、あの時の私の機転はよかったでしょ?」

エヘヘと得意気に笑った安里に、
「ああ、君が“パパ”だと言ってくれたおかげで彼女は僕が父親だって信じてくれた訳だからな」

津田も一緒になって笑った。
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