【新】レンタルフレンド~お友達をお貸しします~
デスクの引き出しを開けると、当たり前だが中身は空っぽだった。

椅子に腰を下ろすと、とても座り心地がよかった。

「次は衣装部屋と更衣室の案内をしましょうか」

幸代がそう言って歩き出そうとした時、
「三松さーん、ちょっといいですかー?」

電話を持っている先輩社員が幸代のことを呼んだ。

「はい、ただ今。

川越さん、衣装部屋と更衣室の案内をお願いします」

幸代はそう言って澄香に声をかけた。

「はい、わかりました」

澄香が返事をしたのを確認すると、幸代は先輩社員のところに向かって行った。

彼女の背中を見送っていたら、
「光浦さん、行きましょうか?」

澄香が声をかけてきたので小夜子は返事をした。

衣装部屋は廊下を挟んだ向こう側に、更衣室はその隣にあった。
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