【新】レンタルフレンド~お友達をお貸しします~
依頼者である安里の部屋は18階にあった。

「こんにちは、『ハッピーライフ』です」

小夜子が先ほどと同じくインターホンを鳴らして声をかけると、ガチャッと音がしてドアが開いた。

そこから出てきたのは、緩くウェーブがかかった明るい茶色の髪の女性だった。

彼女が今回の依頼者である金子安里ようだ。

「初めまして、スタッフの光浦です」

小夜子があいさつをすると、
「入って」

安里は一言だけ言って、小夜子を中へと誘導した。

「それでは、お邪魔します」

小夜子は小さく会釈をすると、部屋の中に足を踏み入れた。

部屋の中もビックリするくらいに広くて、小夜子の不安はますます大きくなった。

(すごいな、お嬢様だ…)

安里の方に視線を向けると、彼女はすでにドレスアップをしていた。

スカイブルーのVネックノースリーブのドレスに、胸元までの髪を右の方へと寄せていた。
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